台湾烏龍茶の仕入れブログでは久しぶりの担当になります特攻隊長ユタカです!
現地の飛び込み営業ならユタカにお任せ♪ということで仕入れ旅6日目の今回は、
ユタカ&ヨコ組で新規茶園の開拓に向かう所からのお話しです。
始めに言っときますが、これから人里離れた山の中に入るので、インスタ映えとか
するような写真は無いですが、特攻じゃなくてもう「特幸」隊長の方が良くね?!
と思うようなお話しです。
今回は高級台湾烏龍茶の産地としてヨーロッパでも名高い「梅山(メイシャン)」
阿里山の裏側で普段は観光客などがほとんど来ない、とてものどかな場所です。
朝8時半ごろ嘉義(ジャーイー)で阿里山森林鉄道に乗ったサワコ&コジ組と別れ。
10時前ごろにタクシー運転手の呂さん&店主アンドリュー組と別れ。
陽が落ちる前には阿里山駅近くのホテルで合流するスケジュール。
さぁ時間もないし僕らもレンタカーで出発です!
30分ぐらいでヤシやシダの葉っぱも視界から消えて、1時間もすると普段日本で
眺めている植生に近くなってきて、窓から吹き込む風が少しづつ涼しくなって
来るのが分かります。
うん。日射しは強いけど空気が気持ちいい♪
一般観光客が嘉義の町から阿里山森林遊楽区に向かう時の阿里山公路とは違い、
かなり道幅も狭い悪道で、先の見えないカーブですれ違う地元の車は、真ん中に
はみ出しながら突っ込んでくるので、毎回本当に恐い思いをしながら進みますw
途中立ち寄った太興岩景観茶園歩道
ここでもたつく訳にはいかないので展望台からの景色だけ収めて次へ。
ちょっと大きな地震があったらペシャンコだねー、とヨコと二人でひきつった
笑いを浮かべつつ先の見えない道を奥へ奥へと進んでゆきます。
進むほど道も狭くクネクネとして森も深くなってきます。
さすがにもうこんなところに人なんて住んでないんじゃねぇの…という不安に
駆られてきた矢先、派出所発見!
派出所があるってことは、このあたりに人がまとまって住んでる証拠。
標識などを確認すると、どうやら目的地「梅山(メイシャン)」の瑞里という
村に辿り着いたらしいことが分かりました。
少し進むと、壁のような山肌になんでそんな茶畑を作るんだ?!と思わずには
いられない風景が広がります。
瑞太遊客服務中心(ルイタイツーリストサービスセンター)さんの屋上から撮影
周囲を見渡すと特に手が良く行き届いている美しい茶畑を発見!
経験上、こういう手間暇を惜しまない茶師さんのお茶は絶対に美味い♪
茶師さんちへ突撃!
ということで美しい茶畑の目の前にあるお宅に飛び込むことにしました!
玄関を見ると、今年(2019年)春の梅山地区の品評会で金萱茶部門で優勝した
と書かれています!
いやー、さすが俺見る目あるわー (ラッキーすぎて棒読み)
ドアを叩いたら出てきてくれた70代ぐらいの茶師さんに「自分たちは日本の
お茶屋で、新しい良いお茶を探していて、茶畑を見せてほしい」という旨を
カタコトながら伝えると、アポなし突然の訪問にもかかわらずなんと快諾して
下さいました!
「このあと丁度昼ごはんを畑に届けるから待ってなさい」という事で、表で
待っていると、畑に連れて行くからヨコは助手席、僕はというと。。。。
急な細い坂道をグイグイと登る軽トラの荷台に揺られて到着すると、青心烏龍種の
二番茶の茶摘み時期だったようで、その様子を撮らせてもらいました。
本当に今日、この時間に、この場所に訪れるんじゃなければ見ることが出来なかった
そんなラッキーの連続でもう神懸ってきましたw
キレイな茶畑と茶葉♪
なんと一緒にお昼ごはんをご馳走になりました!
本当みんなめっちゃ優しくて泣きそうになるわー( ;∀;)
丁度、老茶師さんの姪っ子甥っ子ちゃんたち(正確には老茶師さんの兄弟の孫
なので大姪大甥)が来ていて、聞くとパパもヨーロッパで賞を取ってる有名な
茶師さんらしい!
神ラッキー状態とはいえ凄い家系のところに飛び込んだもんだw
梅山の烏龍茶を飲みたいと伝えると、老茶師はまだ畑仕事があるからという事で、
パパのところへ大姪ちゃんたちに先導して連れて行ってもらう事となりました。
10分もかからず到着。
陳さんご家族とご対面。
茶葉を探している事情をざっと説明して数種類のお茶を淹れて頂くこととなりました。
全て品種は青心烏龍で、大禹嶺、阿里(石棹産)山、梅山、梅山紅茶の4種類
品評会競技用の茶器で淹れてもらいます。
うん!
大禹嶺と石棹産のは当たり前だけどさすがに美味しい!
で、梅山のお茶は。。。
なんだこりゃ!すごー!(語彙力)
従来の阿里山茶よりちょっと深い日本茶寄りの黄緑の水色に、ふくよかな烏龍種の
良~い香りがして、梅のようなクッキリとした酸味の後から柔らかい甘みがじっくり
残り、それでいてキリっとした清々しさがある感じ。
梅山紅茶は全発酵らしくないほんのわずかなタンニン分を感じつつ、梅のような
クッキリとした酸味と香りを前面に主張して、ほんのりと甘みを喉に残す逸品。
あー、もうシンプルにこりゃー凄いわ。
日本で最高級と言われる大禹嶺茶を超える評価を受けてヨーロッパでもお値段が
高騰している理由がよく分かります。
梅山も一口に阿里山茶と括っている日本のお茶屋さんもありますが、これは全く
別のお茶ですね。
今年は茶園さんとの関係を作るところまでがミッションだったので、個人的に
梅山のお茶を買い込んで帰りました。
帰国後、水の条件を変えたりして何度も試飲したんですが、最初に試飲した時の
梅のような酸味がどうしても再現できない。
うーん、現地の水じゃないという理由以外、思い当たるところが無いんだよね。
2020年の仕入れではこの謎も解き明かしたうえで絶品の梅山茶をご紹介できる
ようにと思っていますので、ぜひ楽しみにして頂ければと思います♪
ちなみに現地でしか飲めない日光萎凋だけした生の烏龍種の緑茶を頂きました!
もちろん発酵感は無いですが、甘みの深いお茶で、香り高く渋みがほぼないので
ずっと飲んでいられるとても美味しいお茶でした♪
以降も飛び込みで出会った陳さんご家族とSNSで連絡を取り合っています。
こういう良い出会いがあるから茶園開拓はやめられないですね~(*^^*)
次回の仕入れブログは祝山でのご来光と、青香の茶園、御統名園さんへお邪魔します。
お楽しみに!