台湾と台湾烏龍茶の魅力をお伝えする台湾ブログ担当のユタカです!
前回は祝山(ジューシャン)でご来光と壮大な雲海を見て阿里山新駅へ戻って
くるところまででした。
今回は阿里山にあるお茶農園と製茶の様子をお伝えしたいと思います。
阿里山には石壁、樟樹湖、梅山など沢山の茶区がありますが、なかでも石棹
(シーツォ)は古くから交通の要所で、多くの製茶農家や茶畑が集まっています。
「石棹(=石卓)」にはその昔、真四角の大きなテーブルのような奇岩があり、
そこにハッキリと足跡が刻まれていたため、仙人が残した遺跡だという言い伝え
があり「石卓」と呼ばれるようになったそうです。
今回はこちらに向かうことにしました!
地図の右側が阿里山、左上のピンが奮起湖、その下の方が今回向かう石卓。
阿里山国家風景区からタクシーでゆっくりと茶畑を確認しながら3,40分は
走ったでしょうか。
周囲には道路からすぐ上がれるところに茶畑がたくさん広がっています。
さっそく降りて散策することに。
茶園の間にちょっと開けた小路があり茶畑の間を見て回ることが出来ます。
どの畑も急な斜面なので歩いて回るのが本当にきついw
何カ所か回りましたが全てが山頂に近い斜面でお茶を栽培しています。
少しでも高いところで栽培している方が高く売れるという事情からでしょうか。
実際は高度だけじゃなくちゃんと育てる農家さんの想いが重ならないと、同じ
阿里山でも美味しいお茶は出来ないという事がこの後分かりました。
中には明らかに機械で収穫した畑があります。
茶樹もダメージを受けていますし、葉の断面が茶色いのが分かると思います。
茶葉が収穫時に大きく傷つくと、繊細な台湾烏龍茶の発酵にばらつきや余計な
酸化が起きてしまい、すごく味が落ちます。
ちなみに発酵しない日本茶は、ほとんどが機械摘みです。
美味しい手摘みの日本茶もありますが、ご存知の通り非常に高価です。
そんななか、移動中に陽の光に照らされてとてもきれいな茶畑が目につきました。
運ちゃんに頼んで引き返してもらってしばらく茶葉をみてみると明らかにここは
手摘みでやってる!と分かるほど。
今回お世話になったのは「御統茗園(ヨントンガーデン)」の老板娘(女主人)
「荘(ツァン)」さん。
お邪魔すると、茶園の説明などをしてもらいながら、みんな揃っておススメの
阿里山茶を一服頂戴しました。
斜面を走り回っていたのでホッと一息♪
お話を聞いてみると、阿里山紅茶も作っているそうでご馳走になることに。
うぉ!
何だこりゃ!Σ(・ω・ノ)ノ!
紅茶になにも入れてないのにほんのり甘い!
やだ美味しい(*´ω`*)
美味しい阿里山紅茶に舌鼓をうちつつ、ちょうど作業が始まるところだという事で
製茶プロセスの撮影をさせて頂くことに。
読者の皆さんもなかなか写真付きで台湾烏龍茶の製造工程を見るチャンスは無いと
思います。
せっかく台湾烏龍茶専門店のブログですから、少し長いですが現地の写真と共に
その手順を辿ってみたいと思います。
1【萎凋】
キレイな茶畑から手で摘まれた新鮮な茶葉は、最初に日光の当たる場所で、次に
日陰で広げられて萎凋(いちょう=しおれさせる)されます。
御統茗園の日光萎凋はこの日終わっていたので、近隣の製茶業の軒先を撮影させて
頂きました。
2【攪拌】
萎凋の後は美味しく均一に発酵させるため、竹で編んだザルにザラザラと落とされ
揺すって攪拌する事で茶葉の周囲に細かい傷をつけられます。
3【発酵】
ザルに静置されてしばらく発酵を促します。
この時点でかなりいい香りがしてきています。
ここから熱を入れて発酵を停めて一気に成形していきます。
4【焙煎→圧縮】
これで水分が飛んで発酵が止まります。
5【加熱→揉捻の繰り返し】
加熱しないで揉むと茶葉が割れてしまうため、ほんの数秒ドラムの中で熱を
入れられてまたザーッとザルに注ぎだされます。
【動画】揉捻の様子(※音が出ます)
加熱から揉捻(じゅうねん)の数回の工程で、グルグルと圧をかけながら揉み転が
される間に、皆さんが見たことのある、あの丸くまとまった茶葉になります。
6【仕上げ】
最終的に商品に合わせて茶葉の選別がされ、商品によっては炭焙煎したりします。
老板娘の荘さんは、たっぷりと時間をかけて丁寧にお茶づくりの施設と工程を
お話してくださいました。
最後にみんなで写真を撮って御統茗園を後にしました。
聞香堂もお茶農家さんの想いと丁寧な職人さんの手仕事を経た茶葉を、香りまで
厳選してお届けしています。
次回は有名な茶芸館があったりジブリ作品「千と千尋の神隠し」の舞台になった街、
九份(きゅうふん)を目指します!
お楽しみに♪