特攻隊長ユタカです!
仕入れ旅レポート、久しぶりの登板になりました♪
今回の話は2024年7月16日。
場所は阿里山地区のなかでもヨーロッパで一番値段が付くと言われている「梅山(メイシャン)」。
ここの製茶師、陳さんファミリーを訪ねた一日のお話です。
陳さん、と聞いて聞香堂ブログを長く読んでくれている人は「お!」となるかもしれません。
そう、2019年にヨコと二人で軽トラの荷台に揺られながら飛び込み突撃した、あの瑞里(ルイリー)村のご家族です。
→ 2019年の最初の出会いはこちらから 台湾烏龍茶仕入れ旅2019 その8 阿里山の梅山地区へ茶園開拓に行ってみた
…で。
あれから5年。
コロナで台湾そのものに行けなくなって、ご無沙汰の極み。
やっと現地に戻れたのが今回の2024年仕入れ旅で、陳さんの家にも本当に久しぶりの再訪となりました。
しかも陳さんファミリーは日本語まったくのゼロ。
これまでの数年間、僕とのやり取りはスマホの翻訳機能でなんとか繋いでた感じだったんですが、
今回はなんと、通訳のhollyさんがご一緒♪
これがもうデカかった。
僕の中国語はあいかわらず「ニーハオ」と「謝謝」と「好喝(ハオフー)」レベルなので、
今までは陳さんの言葉から滲み出るその情熱を、雰囲気と勘で受け取るしかなかったんです。
それが今回、陳さんの言葉が一語一句、日本語に変換されて入ってくる。
「あ、僕、今までこの人の作るお茶の表層しか触ってなかったわ…」
って解像度爆上がりした1日だったので、今日はその話。
石棹から梅山へ、車で1時間
そもそもこの日、午前中は阿里山地区の入口側、石棹(シーツァオ)にある
「御統茗園(Yu Tung Ming Yuan)」さんにお邪魔してから梅山に向かうハシゴ仕入れ。
| 阿里山観光茶園 御統茗園605, Chiayi County, Alishan Township, 4鄰115-15號
御統茗園さんでのお話はまた別の回を参照してね。
石棹から梅山までは車で約1時間。
阿里山公路から入って阿里山鉄路の終着駅「奮起湖(フェンチーフー)」を過ぎたあたりから、
道がぐっと狭くなって、舗装もちょいちょい傷み始めます。

道の途中にある紫の建物。ここを過ぎると本格的に梅山エリア

タクシー運転手の呂さんに先導してもらいながら山道を進みます
途中、何度か対向車とすれ違うのにヒヤヒヤしながら奥へ奥へ。

途中の展望スポットから嘉義平野方面。雲が眼下にあるってことは、 この時点ですでにそこそこの標高まで来てるってこと♪
そして、ぐねぐね山道を抜けると見覚えのある景色が広がります。

檳榔樹(ビンロウジュ)と茶畑のセット。台湾高山茶あるある。
「あぁ、また来たんだなぁ」と、毎回ここでテンションがじわっと上がるんですよね。
5年ぶりの再会
陳さんの家に到着!

陳さんと、奥さま。相変わらず仲良し夫婦♪
奥様の後ろにある赤い季軍の文字の紙はちょうどこの年の全台湾の製茶技術大会で3位を取ったという内容。
5年ぶりですよ、5年。
その間、季節の挨拶とか子供達とのLINEのやり取りはずっと続けてたものの、顔合わせるのは2019年以来。
着くなり奥様から「疲れたでしょ!遠くからよくきたね!さあ、入って入って!
食べてお茶一服して!」って、僕から陳さんにお昼ごろに着くよーって連絡しておいたので、
みんなのお弁当からスイカやお菓子までたくさん用意してくれていた。
ほんと有り難い(涙)

お茶屋さんの前で集合写真。 前列左から、Brandon/通訳のholly/(半歩後ろに)陳さんの奥さま/陳さん/聞香堂店主アンドリュー/ヨコ。 後列左から、陳さんの娘さん/息子さん/僕(ユタカ)
ちなみに陳さんの娘さんと息子さんもいい感じに大人になっていて感無量。。
前回同様に品評会形式の蓋碗(審茶杯)でテイスティング
挨拶もそこそこに、いよいよ茶葉のテイスティングタイム。
今回も味や色味の違いがよくわかる品評会形式で、複数銘柄を一気に比較。

陳さんが蓋碗(がいわん)にそれぞれの茶葉をセット中。by撮影ヨコ
ユタカのいつか誰かに自慢できるかも知れないドヤ顔メモ:
審茶杯(審査用茶器)で全て一定の時間(球状6分、条索状5分)、温度100度、水量150ccにすることで、
茶葉の性質や力や濃淡の違いを見るための審査手順で、普段美味しく飲むためとはかなり違うので、
実際の水色よりかなり濃く見えると思います。
抽出6分後に茶殻の香り評価、抽出後12分経って冷めてもしっかりと香りや味が
維持されるかも大事な評価ポイントです。
特に香りって蒸気が立ち昇ってる時って水分が邪魔であんまり分からない成分があるので、
熱い時に一度、聞香杯を空にしてもう一度しっかりと香りを感じると良いです。
審査の時に淹れてすぐ嗅いでいるのは焦げ臭とかの欠陥がわかりやすいためで、
ワインでいう抜栓したばかりのコルクを嗅いだ時にブショネを判断するのと似ています。
なので、聞香杯がない茶店とかに行って、
お茶を淹れて少し経ってから茶壺のフタや蓋碗のフタを嗅がせてくれるのはそのためです。

色とりどりの比較用銘柄。一部袋と中身が違うので一つず つ説明してくれる奥様

蓋碗の中できれいに開いた茶葉と、抽出された一杯目。 水色比較のために茶碗にも分けて配置

横一列に並ぶ今回のテイスティングセット。これだけでもうテンション上がる♪ 透き通る薄黄〜萌葱色の水色。
今回試飲させてもらったのは、阿里山高山茶(青心烏龍種)、阿里山蜜香、梅山紅茶(青心烏龍)、
金萱(台茶12号)、梨山茶、それから仏僧山の青心烏龍種。
…さらっと書きましたけどこれ、5年前の僕が同じラインナップを目の前にしても、
銘柄名と飲んだ感想を結び付けられたか怪しい量と密度。
それに今回は、陳さんが一種類ごとにしてくれる説明をhollyさんが通訳してくれるので、
5年前は「あー、この人、不器用だけどすごく真面目でお茶がすごく好きなんだろうな」
というぼんやりした感想だったのが今は、
伝統ある梅山の茶農家の誇りと、毎年変わる環境や条件から常にトライアンドエラーしつつ最高の
茶葉を作る「製茶師」を誇りにしているんだ、と理解した瞬間でした。
通訳同行、本当ありがとう、hollyさん。( ;∀;)
みんなでテイスティング
そして話を聞きながら実際に飲む。

左:ヨコ/右:聞香堂店主アンドリュー。早速真剣モード突入 ヨコ、慎重に香りを聞き取る。 窓の外には梅山の茶畑。

アンドリューもじっくり香りを聞き取る。ちょっとドキドキしてる陳さんの顔w
香りと味の感想
で、肝心の今シーズン、陳さんの家で飲んだお茶。
今回いちばん印象に残ったのはやっぱり梅山紅茶。
2019年に飲んだあの「梅のような酸味」は健在。
というかむしろ、5年前のあの一杯より一段、輪郭が深くなってる気がしました。
口に含んだ瞬間、控えめだけど凛々しい花の香り。
中盤、若いプラムを掛け合わせたみたいなクッキリした酸味。
余韻には、しつこくなくしっかりと厚みのある甘さが、喉の奥にじわっと残る。

茶摘みから揉捻、乾燥までホント丁寧
なるほどなぁ。
職人の技と、土地の力。両方が合わさってこの味になる。
5年前、飛び込みで出会えた偶然はラッキーだったけど、そこから5年経って、
その人の作るお茶がさらに深みを増しているのを目の前で確認できる、っていうのが、
この仕事の一番美味しいご褒美だなぁ、としみじみ。
次回は僕の中国語をもう少しマシにして、hollyさんなしで陳さんと話せるくらいにはなっていたい・・・
それではまた、次の聞香堂ブログでお会いしましょう♪











