香りにこだわった高級台湾烏龍茶といえば聞香堂(もんかどう)です。
前回は道教の寺院で台湾烏龍茶の製造工程が彫られた石板を見て、台湾烏龍茶と
南投の人々がいかに深いかかわりがあるかをお伝えしたところまででした。
今回はそんなお散歩から戻って、台湾の中でも高級な烏龍茶の試飲に進みます。
後半は産地別に、梨山(りさん)、大禹嶺(だいうーりん)さらに希少な野生茶
と呼ばれる梨山と阿里山(ありさん)という高級茶の
連続となり、非常に緊張感の有る試飲が続きました。
台湾の人もあこがれる梨山で作られる高山茶(こうざんちゃ)。
茶葉を栽培する標高が高い(2000m級)ので、一般的に標高1000m以上の
茶園で作られる高山茶と区別されており、高冷茶(こうれいちゃ)と呼ばれます。
爽やかなのに味わいはほんのり甘く、余韻が深くしっかり。
一煎目より二煎目の方が余韻が深くなったように感じました。
地質的に水はけのよい高級な梨の産地だからか、フワッと果実のような香りが
爽やかさに花を添えてくれます。
標高の高い梨山の隣の山で、さらに標高が高い大禹嶺区と呼ばれる地区のお茶。
お茶の栽培限界とも言われるだけあり、そもそも気温が低すぎるので、天候と
栽培技術と製茶技術の3つがそろわないと大禹嶺を名乗るお茶にならない、と
まで言われる希少なお茶。
梨山と産地が数十キロ程度と近いのに、味わいはあまり似ておらず、しっかり
としたボディと甘くなく清々とした香りが飲み込んだ後までしっかり続きます。
お茶を出した後の茶葉はこんな感じ。
野生茶の烏龍茶は蜜香茶(みつこうちゃ)というカテゴリに
なるのですが、その名の通り、蜜の香りがします。
有名な海外のお茶でくらべるなら、インドはダージリンのセカンドフラッシュ。
こちらも蜜香茶の仲間で、蜜香茶はウンカという虫さんに咬まれた葉だけを集めて
お茶にしているのですが、セカンドフラッシュは産地の気温も高く日照時間が長い
ので、マスカットのような香りがします。
対して、この台湾の高山茶(こうざんちゃ)の蜜香茶は、気温も低く日照時間も
短いため、純粋な蜂蜜の香りがします!
阿里山の蜜香茶にもビックリしましたが、梨山の蜜香茶は衝撃的な
濃い蜂蜜の香りと奥深い味わい。
しかもせっかくだからと何杯も淹れて頂いたのですが、バランスの変化も楽しく、
いつまでも美味しい!
本当にこれはすごいですね!
10煎くらい平気で出るんです!(阿里山で5~7煎くらいかな?)
丁寧に淹れ続ければ15煎くらい飲めるかも。
飲める杯数からすると逆にリーズナブルかも知れません。
老板娘(らおぱんにゃん=女主人)によると、梨山の蜜香茶は入手できない
年もよくあり、今年は天候にも恵まれウンカもしっかり発生して本当にラッキーな
年だとの事。
ちなみに2016年は収穫量が少なすぎてほとんど出回らなかったんだとか。
ほぼ一日中試飲して居ましたが、これだけ飲んでも飽きない!(笑)
本当に美味しいお茶って凄い。
参考までに聞香堂サイトにお茶の産地情報をまとめたページがありますので
ご興味があればこのブログの情報と合わせてみて下さいね。
https://www.monkado.jp/howto-tea/producing-regions/
試飲後はチョイスしたお茶を小袋に詰め替えて頂き、3人のスーツケースに
詰められるだけ詰めて終了!
そのあと、お茶問屋さんのご家族と車でお食事に行きました。
山を下りてしばらく走ったところのすぐ目の前は集集線の濁水(だくすい)駅。
大きな蒸気機関車の像が駅前にあります。
ここは日本統治時代に水力発電所の建設資材輸送のために敷設された7駅しか
ない集集線という路線の駅ですが、今も地元の人に愛されている駅だそうです。
日本語が話せる人が本当に少ないこのエリアですが「今でも日本に世話になった
と考えてる人が多いんですよ」という老板娘の話にも頷けました。
お食事では見たこともない様なご馳走をたらふく食べました♪
アヒルの頭にかぶりつき!
食べられる部分は少ないんだけど色々漢方が効いてて滋味深いお味♪
二代目の「食べられるかなぁ?」って表情がたまりません(笑)
スエさんはスパイスの好みが合わなかったのか食べられませんでしたけど、
八角(はっかく)が効いてて僕は好きな味付けでした♪
お食事の後にお茶問屋さんのご家族と最後に一枚。
お身内のタクシーで台中まで送って頂き、この日はみんなバタンキュー。
今回のお茶問屋さんでの仕入れで仕入れ旅行の8割は目的達成!
というところですが、実は旅はまだまだ始まったばかり。
引き続き台湾の尽きない魅力をお伝えします♪
次回は食の最先端「台中」の食文化を支える台所、水産市場へ向かいます!
お楽しみに~。